一緒に過ごした時間や思い出が値段になる
私が初めて車を購入したのは20代前半の頃で、結婚が決まった頃でした。それから約10年間、近所の買い物はもちろん、気分転換のドライブ、子どもが夜中熱を出して病院へ行くときも、いつも安全に運んでくれた大切な車でした。それが売却することになったのは、家族が増えることになって少し広めの車に切り替えたいと思ったからです。
まだ乗れるので寂しい気持ちを抱えながら、ディーラーにて次の車をどれにするか選びながら、同時進行で売却するとどのくらいの値段になるかを査定してもらいました。値段を聞くと購入時の半分くらいでした。購入時から人気の車種やカラーであったことや、乗っている年数の割に目立った傷もなく、エンジンなどに不調がないというところから割り出された値段だったのですが、私たちと一緒に過ごした時間や思い出が値段になったような、不思議な感覚を感じました。それまで「次はどんな車にする?」と家族で楽しく話していたのに、何だか途端に寂しいような気持ちになったのです。実際に売却が決まり、新しい車へ荷物を積み替えている時にはそのような気持ちはなくなったのですが、今思えば家族の一部のような感覚だったのかもしれないなぁと思います。